ホワイトハウスへのドローン侵入は日本への警鐘だ

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米国東海岸時間の月曜未明に、ワシントンの大統領官邸・公邸のホワイトハウスの庭にこの直径60センチの小型無人飛行機ドローン(drone)

が墜落した件では、米国の新聞はこぞって1面記事に仕立て、ネットワーク局でも119回も報じられたようです。

新聞各紙の一面はNewseumのサイトで検索できますが、その一例として、お膝元のワシントン・ポストの紙面を御覧ください。ニューヨーク・タイムズ、USATodayはもとより、経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルも1面でした。東部の大雪がなければもっと大扱いだったことでしょう。

ところが、日本のメディアはNHKが短く報じただけで、今朝の新聞は検索した限りではどこもベタ記事でも載せていないようです。何なんでしょう?この日米の報道落差は?

”事件”は、米国の情報機関のひとつ National Geospatial-Intelligence Agency(国家地球空間情報局)の職員が非番の夜に、ホワイトハウス近くの自宅アパートから、酒に酔って友人のドローンを飛ばしてみたら、コントロールミスでホワイトハウスの庭に落ちちゃったーーーということでした。まあ、悪意があったわけではない酔っぱらい事故、ということに落ち着いたので、日本メディアは足並み揃えて見送ったように見えます。

しかし、米国メディアの視点は違います。目にする限り、この、一見、たわいない事件が「警備にあたるシークレットサービスの厳戒態勢にも穴があることを露呈させた」という指摘です。

ホワイトハウスは、高い塀とシークレットサービスの要員で警備しているだけでなく、監視カメラ、洗練された環境センサーに加え、対飛行ミサイルまで配置されているとワシントン・ポストの記事にあります。

そういう厳戒態勢でも、市販のドローンに破られた。これは大変なことだ、という意識です。仮に、テロリストが爆弾を積んだドローンを突入させればオオゴトだからです。

もちろん、当局側も、テロリストに悪用されたら大変だ、という問題意識は持っていて、つい先日も、国家安全保障省の主催で国防省、連邦航空局、国家テロ対策センターが合同で内輪の会合を開いたばかりだ、と先のワシントン・ポストの記事が伝えています。

また、ニューヨーク・タイムズによれば、シークレットサービスは、侵入してくるドローンをいかに探知し、仕留めるかの秘密研究は何年も前から進めていて、その方法について<try and develop>を繰り返しているとか。しかし、その決め手がなく、危うい状態が続いていることに米国メディアは警鐘を鳴らしているわけです。

USATodayによると、ワシントン中心部の上空は、連邦航空局の許可がないと飛行出来ないことになっているのですが、実際には、許可なしドローンが連邦議事堂やリンカーン記念堂近辺などワシントンのあちこちで飛んでいるようです。

連邦航空局の記録では、昨年、シークレットサービスのパトロール部隊などがホワイトハウス近辺でドローンを飛ばしていた人物2人を拘束したとのことですが、ドローンの技術が進んで値段も手頃になって、最近では米国内で月間1万5千台も売れるという人気となっているだけに、目を光らせるのはますます困難なことでしょう。

実は、当ブログでも最近はしばしばdroneについて取り上げてきました。大体が、droneのメディア、ジャーナリズムでの活用や便利さについてで、米国政府内で前々からdroneによるテロ対策研究が積み重ねられていたことには関心が及びませんでした。

しかし、かのイスラム国でさえ、敵対組織の軍事基地をdroneで偵察するという時代。まして日本も標的にされた昨今。テレビニュースによく映る総理大臣官邸(首相官邸)の前庭、あるいは皇居内に小型無人飛行機Droneが突入してから大騒ぎしても遅いかもしれません。

日本でも、テロ対策の観点から議論と対策立案が喫緊の課題になってきたーーホワイトハウスへのdrone侵入事件は危機意識が遅れているかに見える日本への警鐘とも見えます。

 

 

 

 

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