ジョブス氏落選:TIME誌「今年の人」は<PROTESTER>
先月14日のポストで取り上げた、年末恒例のPerson Of the Year(POY)の結果が出ました。今年のPOYは「PROTESTER」(抗議する人)でした。TIMEのサイトではまだ公表していませんが、(追記)サイトに掲載されてました。これです。米国のメディアは一斉に報じています。例えばこれ。実は、このPROTESTERという名称は、事前にTIME誌が公表していた31人・グループの候補者リストにはありませんでした。北アフリカ、中東で民主化を進めたアラブの若者(「Arab Youth Protester」)、格差解消を叫んでニューヨークのウォール・ストリートを占拠した人々(「The 99%」)の2つを合わせて今年のPOYに編集部が決定したのです。
およそ1か月に及ぶ読者投票には世界中から47万人も投票しましたが、トルコのエルドアン首相がトップでした。アラブ諸国の中では卓越したリーダーシップを発揮し、米国との関係がいいことなどが背景にあるのでしょうが、ちょっと日本人にはわかりにくい結果でした。で、IT関連では、今年亡くなったアップルのスティーブ・ジョブズ氏が、これまで前例のない「死者」として選ばれるかどうかが注目されていて、候補紹介でも、えらく持ち上げた書き方だったので、私も、あり得るかな、と思っていたのですが、見事に肩透かしを食いました。
昨年も、読者投票ではWikiLeaksのジュリアン・アサンジ氏が独走し、また、米国外交文書の大量公開といったインパクトの強い動きをがあったことから、POYにはアサンジ氏で決まりと思われたのですが、フタを開けてみると読者投票では10位に過ぎなかったFacebookのザッカーバーグ氏が選出されるというサプライズがありました。まあ、その後、WikiLeaksの活動がやや沈滞し、アサンジ氏はスウェーデンでの性犯罪容疑で英国から出られない状況が続いています。その一方でFacebookはその後もユーザーが増え続け、いまや8億人というモンスタープラットフォームになっていることを思えば、TIME編集部の判断もなかなかだったわけです。
その伝でいくと、ジョブス氏亡き後のアップルは、来年は今までのような勢いのままでいくことはなさそうで、抗議する人々の動きはさらに世界中で広がると、編集部は判断しているということになります。そういう意味ではPOYは来年を占うということでもあるのですね。
なお、ジョブス氏の読者投票の順位は5位で、The 99%が3位、Arab Youth Protesterは6位でした。日本関係では、福島第一原発4号機が火災を起こした後も現場にとどまり監視を続けたことで米国メディアが英雄視し、オバマ大統領も賞賛した50人の職員を指す「Fukushima 50」が、世界中から15,627票を獲得し、Arab Youth Protesterに次ぐ7位と健闘しました。
Comments(1)
[...] 。一般向けネットなどないのだから。だから、体制内部での暗闘はあるかもしれないけれど、国民からの集団的なプロテスター(TIME誌が選んだ今年の人)は起こりえない。残念だけど。 [...]