名門NYTから新興HuffingtonPostへの人材流出が相次ぐ

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名門ニューヨーク・タイムズから編集幹部、花形記者が次々と、新興ネットメディア、ハフィントンポスト(Huffington Post)へ移籍しているんですね。つい先日のAJR(American Journalism Review)の記事で知りました。

ごく最近では、3月22日に発表されたMoura Egan記者。2008年からNYTマガジンのTravel Editorを務めていたそうです。彼女はHuffpoではエンターテイメントと文化の副編集長になりましたが、名門報道機関からの転身について、「私の同僚が先にプールに飛び込んでいたことが異動を容易にした」と語っています

で、その先にHuffpoというプールに飛び込んだ同僚というのが、Tim O’brienとPeter Goodmanの二人。今年1月に飛び込んだO’brienは元々はWSJ(Wall Street Journal)の記者でしたが1997年にNYTに移り、2006年から昨年末までSunday Business面の編集長だったそう。Huffpoではnational editor(国内ニュース編集長)になりました。

Goodmanは2010年9月に移籍。記者の世界は、なんと日本でJapan Timesから始まり、東南アジアからフリーランサーとして英米の新聞に寄稿したあと帰国、バークレー校でアジア研究をして修士を獲得後、Washington Postに入り、上海特派員をなどを経て、2007年にNYTに移り、経済担当で活躍しました。アメリカきってのメディアレポーターとして知られるHoward Kurtzは、このGoodmanのHuffpo移籍について、<Huffington snag N.Y.Times Star>とWashinton Postのコラムに書いています。NYTのスター記者を掴みとったと。Goodmanはビジネス、経済、テクノロジーの編集長です。

つまり、過去半年の間に、NYTでは知られた記者3人を相次いで入社させたわけです。さらにいえば、Egan記者の上司になるJohn Montarioは2008年までLAT(Los Angeles Times)の編集主幹で、Huffpoには3月に入社したのですが、彼も2001年にLATに移るまで通算19年、NYTに在籍し、編集局次長まで務めているのです。

このような相次ぐNYT記者の移籍について、Egan記者の異動を伝えた先のWWDMEDIAの記事では、「Huffington女史の反撃だ!」とも書いています。これは、このブログで前回、ご紹介したNYTのBill Keller編集主幹が、NYTの記事で、HuffpoだけでなくHuffington女史までボロクソに罵ったことへの報復、というわけです。まあ、そんなに単純なことではないでしょうが、かっては「原稿料なしのブログ記事とコピペ要約記事ばかり」と言われたHuffpoが、AOLへの売却・統合を機に大きく変貌しようとしているのは間違いないようです。

メディアニュースサイトのMedia MobはGoodmanの移籍を伝えた記事で、同時期にNewsWeekの大物政治記者のHoward FinemanもHuffpoに移籍したことを挙げて、「Huffpoは明らかに第2フェーズに突入した」と指摘しました。自前で良質なオリジナル記事を提供する体制を整えつつあるというわけです。

先にあげたAJRの記事でGoodmanは「大きなトピックを単に一つの記事で終わらせるのでなく、最も影響を受ける人々に向けて幅広く展開したい」という意向のようですし、Montorioは「夢の仕事を見つけた。わたしのキャリアで身につけた経験はこのために用意されたものだ。ホンモノの第二幕のようだ」とし、O’brienは「ゴールはアメリカンジャーナリズムの変化に他ならない」とみんな大張り切りです。

こんな声を背景にHuffington女史はMediaMobの記事では、自信満々に「伝統的メディアのジャーナリストがHuffpoに来てもその影響力を失うことは全くない。むしろ増大する」と語っています。しかし、その一方、合併で廃止になるAOLのいくつかの媒体で働いていたフリーランサーたちには厳しい現実が突き付けられています。「フリーの仕事はなくなりました。これからは無給のブログで貢献しませんか?」 こうした非情なメールを送り付ける責任者もHuffington女史なのです。

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