ソニー「リーダー」登場と電子書籍の未来

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今朝の新聞各紙、SONYの読書専用電子端末「リーダー」の記事を揃って大きく取り上げてました。論調は揃って、既に発売されているiPadに加え、今後、同様機種が次々発売予定であり、競争が激しくなりそうというもの。毎日などは「電子書籍はグーテンベルグの印刷技術発明以来の大きな変化」というソニー関係者の言なども紹介して煽っています。

全ての新刊本、雑誌は国立国会図書館に納本義務がありますが、その義務の対象を電子書籍に拡大し、2011年にも収集を始めるという話も進んでいるそうですし、配信インフラ構築の動きもあちこちで進むなど電子書籍をめぐる動きは活発化しているようですが、肝心のコンテンツはどうなんでしょう?

ソニーはリーダーストアを設け、来月10日に2万冊でスタートのことですが、サイトには4冊のお薦め本しかないので、どういう品揃えになるのか不明ですし価格もまだ明らかにしていません。村上龍、大沢在昌、林真理子、宮部みゆきなどの大物作家諸氏が電子本に意欲的な動きと伝えられますが、それも裏を返せば出版社の動きがイマイチということに見えます。現状では、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト112冊のうち101冊を提供し、総計40万冊のほか、新聞、雑誌まで網羅してキンドルに用意しているアマゾンの便利さには遠く及ばないのが現状でしょう。

いっときの混乱はあったものの、CDとオンラインが併存しているのが当たり前になった音楽と同様、書籍もいずれ併存時代になると思いますが、その移行期にある今、自前で電子書籍を入手する手段となるスキャン代行事業が急拡大しているとのこと。一種のスキマ産業であり、家内産業的なものかと勝手に思ってましたがGigazineの記事で紹介されたBOOKSCANは、7か月前に5畳か6畳の一室で始めようと思っていたものが、いまやオフイスビルの4階分でフル操業で、注文後、納品まで3か月待ちという大人気だとか。

利用者はネットで登録し、ダンボールに本を詰めて送るだけでok。業者は本を裁断し、スキャンしてPDFファイル化、専用サイトにアップしたものを利用者がダウンロードする仕組みで、一冊100円(350ページまで)。検索できるOCR加工代も100円。3500冊を送ってきた人もいるといいますから驚きです。こうした代行業者は数十もあるとのことですが、なんと一冊300ページまで30円でOCR処理無料という業者まで登場しています。

ただし、このスキャン代行、厳密には著作権法違反という議論もあります。本人が裁断し、スキャンする(自炊って言いましたね)なら問題ないが、書籍の所有者でない人が複製を作るのはいかがかということですね。そこで裁断だけを請け負い、裁断したものとレンタルスキャナーを宅急便で送るというサービス、さらに、その裁断した本を売買するサイトまで登場しています。後者の場合は裁断本を買って、自分のスキャナーでファイルを作る半自炊ですね。

ちょっと古いですが今年6月のマクロミルのiPadユーザー300人利用実態調査によると、iPadの利用法のトップはウェブ閲覧の88%でしたが、2位はわずかの差で「電子書籍を読む」(73.7%)でした。また「自炊したことがある」は17.7%、「自炊に興味あり」が27.3%もありました。当時はそれほどスキャン代行が注目されていない時期でしたから「自炊」に注目が集まったわけですが、自炊なしに簡単安価に電子書籍が出来る現在で調査すれば、電子書籍派はもっと多いかも知れません。すでにアマゾンで購入した本を代行業者に直行させて電子本を作るサービスも登場しています。出版社も腹を括る時期が目前に迫っているように見えます。レコード会社がかってそうであったように。

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