ニュースが私を見つける

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“If the news is that important, it will find me“ーもう2年半ほど前のニューヨーク・タイムズの記事Finding Political News Online,the Young Pass It Onで有名になった若者のフレーズです。

記事では、「若者は政治記事をプロのフィルター、例えばワシントン・ポスト紙を読むとかCNN.comをクリックするとかで入手するのでなく、ソーシャルなものに取り替えてしまった」とし、若者は「オンラインで興味深い記事があったらそのURLを友人10人にメールで送る」とか「記事を検索するより友達からのメールに付いている記事を読むほうが多い」といった例を紹介します。そして「こういうソーシャルフィルターはある意味、昔ながらのクチコミの技術バージョンだ」としたあとで、冒頭の「もし大事なニュースなら、ニュースが僕を見つけるよ」というフレーズを紹介しているのです。

この記事ではFaceBookには言及していますがツィッターには言及していません。その後のツィッターの爆発的な普及ぶり、MixiなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)、はてなブックマークに代表されるソーシャルブックマークなどのソーシャルメディアの定着を考えればソーシャルフィルターがますます機能していることが容易に想像できます。(なんか「ソーシャル」だらけでウザイですね。すみません。ついでに言うと、こういうソーシャルメディアにサイトやブログ情報、位置情報、メールやソーシャルグラフなどをミックスしてフィルタリングし、各個人に最適情報を送るのを「アンビエント・ストリーム」と呼ぶこともあるようですが、言葉としてはまだ定着していないようです)

元時事通信編集委員でプロブロガーとも言うべき湯川鶴章さんは、ヤフージャパンとグーグルの提携の背景についてのブログ記事で「時代は検索の時代から、ソーシャルメディアの時代に移行したのである。それだけのことである」と言い切っています。間もなく、私のようなレベルのネット利用者でも、冒頭に掲げたような感じでニュースに接する時代が来るのかも知れません。しかし、今はまだめったに友人からのメールで面白い記事のURLを受け取ることはありませんし、個人的に興味の持てる人物をフォローしているツィッターでは確かに時折,興味深いニュースへのリンクを発見できますが、一日中、ツィッターを見ているわけもないので流れの早いタイムラインを追いかけるのは至難のことです。(便利なツールがあるんでしょうが)

そんなわけで当方のニュース接触はiGoogleのページで興味の持てるサイトやブログの記事をRSSで収集するのと、時折、グーグルニュースを覗くことが主体でした。ただ、これだとニュースソースが選んだというか発信する記事を受け取るだけです。で、最近、便利に使っているのがiCurrentという今年1月から始まったニュース収集サイトです。これはソーシャルフィルタリングの対極とも言うべき仕掛けなのです。

つまり他人、友人がどうこうとは全く関係なしに、自分の関心の持てそうな記事を選んで表示してくれます。どうするかというと、関心のあるキーワードでセクションを作ります。何個でもいいのです。MLBとかNewspaper,Mobileというキーワードを選べばそれに対応する記事をドンと集めてきます。で、個々の記事について「interesting?」という質問マークが出るのでイエスかノーかを答えることで、何らかのアルゴリズムが働いて、徐々に自分好みの記事が出るように「進化」するようです。このほかニュースのキーソースの選択が出来、例えばBBCとしておけばBBCの記事が優先的に表示されます。表示される記事も「昨日」「過去3日」「過去7日」「過去30日」から選べます。一方で、個々の記事をブックマークしたり、メールしたり、facebookやTwitterに投稿が1クリックで出来るボタンも付け、ソーシャルへの対応もしています。

湯川さんに「終わった」とされたグーグルの英語版GoogleNewsも1月ほど前にiCurrentと同じようなデザイン変更をしています。「News for You」というセクションを新設していて、関心のあるキーワードを書き込むと、それに対応する記事が毎日、表示されます。またWorld, U.S.,Bussiness,Sci/Tech, Entertaiment,Sport,Healthの各セクション毎に「never」「sometimes」「always」のいずれかにチェックを入れる仕掛けがあり、見る必要のない分野、必ず見たい分野を色分けできる仕掛けが導入されています。iCurretと違って大組織の作るサイトだけに、他にもいろいろな仕掛けが満載ですが、こっちもソーシャルメディアの向こうを張っている感じです。なお,これらの仕掛けは英語版の話で、日本語版は昔と変わりません。

iCurrentは最近、ワシントン・ポストに買収されたというニュースがありました。自分からニュースを見つけにいくのはいずれ時代遅れになるのかも知れませんが、大手メディアはまだそこに行くには時間がかかると判断しているのかもしれません。

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