インドが「10ドルタブレットPC」開発へ
インドの乗用車タタ・ナノは1台20万円を切る超低価格で世界を驚かせました。そのインドで、今度は「最終的には10ドルになる」超低価格タブレットPCのプロトタイプを政府が公表しました。2011年にまずは35ドルで発売し、デジタルデバイドの解消に役立てたいとのことです。
一見して今話題のiPadに似てます。タッチスクリーンで全て操作します。でもipadは500ドルもします。部品代だけで230ドルかかってると言われています。なのにインドの製品は、どうしてそんなに安くなるんでしょうか。OSは無料のリナックスを使い、文書ソフトなどはオープンソフトウェアを利用してソフトウェア関係の費用はゼロにして、ハード面でもハードディスクドライブなしなどの工夫をしているようです。プロトタイプはインド工科大学の学生がマザーボードなどを作成し部品コストは47ドルかかったそうですが、量産化すれば安くなるという計算でしょうか。
米国では何年も前からマサチューセッツ工科大学のネグロポンテ教授を中心とするOLPC(One Laptop Per Child)プロジェクトが100ドルパソコン開発を目指して頑張ってますが、いまだに200ドルパソコンにとどまっています。今年の5月に「12月までにタブレット型コンピューターXO-3のプロトタイプを作り来年1月のCES(Computer Electric Show)に出す。価格は75ドル」と発表しましたが、実は昨2009年末にも、XO-3は2010年に登場と言っていて、どうも低価格化が難航していることをうかがわせます。
低価格パソコンと言えば1997年頃から話題になったネットワークPC(ネットPC)が思い起こされます。インテルなどが音頭をとって、全てのソフトウェアはオンラインで必要に応じて取り込んで使い、ハードウェアも簡略化することで当時としては画期的な1000ドル以下の低価格を目指しましたが、残念なことに当時のアクセス回線が貧弱でソフトの取り込みに膨大な時間がかかることからポシャってしまいました。
そしてその直後にはインドのSIMPuter(Simple In-expensive Multi-lingual People’s computer)プロジェクトの動きもありました。2004年になってようやくOSにリナックスを使ったPDAとして発売されましたが時代遅れでぱっとしなかったようです。
インドの「究極10ドルパソコン」はその雪辱戦かも知れませんが、どうも見通しがはっきりしません。来年には出してデジタルデバイド解消に役立てるという目標は素晴らしいけれど、先行のOLPCですら75ドル目標で苦しんでいるなか、伝えられるところではスペックも明らかでなく、まして製造引き受け会社も未定とあっては難航必至でしょう。そして開発に手間取っている間に、iPhoneやiPadに代表されるモバイルコンピューティングの飛躍的進化が「超低価格インドPC」の魅力を削いでしまうおそれが強いような気がしてなりません。タタ・ナノの超低価格は衝撃ですがマイカーにしたい日本人はきっと少ないのとおなじように。
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