新聞社サイトのビデオ配信が激増している!

このエントリーをはてなブックマークに追加

5月27日付けの当ブログ「英The Timesサイトの有料化は成功するかも」では、その理由として従来の新聞社サイトを突き抜けた作り込み、とりわけビデオの徹底的な採用をあげておきました。ただ、ビデオ充実には人(技術)も金(設備)もかかりますので、そこをどうクリアしたのか、という思いも残りました。それが、たまたま今日、氷解しました。アプリケーション開発やサーバー構築などの手間なしで、自前ドメインで動画サイトを作れるASP(Application Service Provider)サービスのBrightcoveを使っているのです。

Brightcoveという会社は2004年にスタートしましたが、実際にビジネスになり出したのは2006年に入ってからだと記憶しています。創業者のJeremy Allaire(元MacromediaのCTO)の主張が明解だったことと、有力ベンチャーファンド2つが関わっていたのでなぜか気になっていた存在でしたが、いつの間にかメジャーになっていたんですね。横道に逸れますがAllaireの当時の主張とは、「今のテレビビジネスは行き詰っている」として、
・広告主はもっと効果的な広告を求めている
・効果的な広告はインターネットでしか出来ない
・機材が安くなって、番組もCMも安く作れる時代だ
・だれもが映像を作れる時代が爆発する
・ブロードバンドで高画質画像を送れるようになった
・パソコン以外の携帯端末でも見られる時代だ
・素人から中小プロダクション、メディア会社の参加が見込める

というものでした。一言でいえばインターネットテレビの時代が来る。その時にBrightcoveはそのプラットフォームとして君臨するということです。実際に使ったことはないですし、技術に疎いので正確ではありませんが、要するに誰でも簡単に投稿できることで爆発的に人気を呼んだYouTubeと同じように手軽に動画がアップロード出来、外見には全部自前で作ったような自前テレビ局が出来る仕掛けと言えるようです。

で、その狙いは当たり、現在、45カ国に1400の顧客があり、5000以上のサイトを運営しているとのことです。ニューヨーク・タイムズなど大手メディアも利用しています。この実績などを元にした調査レポート(オンラインビデオの分析などを行っているTubeMogulとの共同調査)が最近出ましたが、興味深いのは新聞社のサイトでの動画アップロード数が、今年の第1四半期は昨年同期比で190%アップ、つまり約3倍になったそうです。放送局サイトは10%、出版社サイト60%、レコード会社サイト64%とそれぞれアップしていますが、それに比べて際立っています。アップロードの絶対数でも圧倒しています。新聞経営が厳しくなる中で、サイトに客を呼べ、広告も付けやすいビデオの導入拡大が急速に進んでいるように見えます。

新聞社に限定した質問ではありませんが、なぜビデオを使うのかという問への回答は「魅力を増す(76%)」「ブランド強化(60%)」「客寄せ(55%)」「広告を増やす(33%)」などとなっていて、新聞社が動画を急拡大しているのは、とりわけ切迫しているからと言えるかもしれません。ただし、日本では新聞社サイトでの動画導入は諸外国に比べて遅れていて、放送局、出版社、レコード会社というジャンル別ランキングではいずれもベスト10に日本の名が見えますが、新聞社のランキングでは10位までに入っていません。残念!ただし、今年4月にBrightcoveを導入した北海道新聞の<Doshin 動画News>は、なかなか充実していて見ごたえがあります。まあ、日本の新聞社サイトではトップレベルではないでしょうか。ついでに、新聞社サイトではありませんが、Brightcove導入例で発見した<GPBL>日本女子プロ野球リーグ(といっても2チームのみ)のサイトでは全試合のダイジェストが見られます。なかなかの迫力ですので、関心のある方はどうぞ。

Trackback URL

No Comment

No comments yet

Leave a reply