英The Timesサイトの有料化は成功するかも(追記あり)

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マードック傘下の英国紙The TimesSunday Timesのオンライン版が6月後半にも有料化に移行することになりました。新聞で有料化に成功しているのは世界的な経済紙である米 WallStreetJournalと英Financial Timesの二つくらいで、一般紙の有料化は難しいという見方が圧倒的に強く、今回の両紙の有料化に対してもEntertainment Media Reserch社の調査でも、「有料化で読者の90%を失うだろう」などと報じられています。

しかし、意外に成功するかもしれません。というのは、今週から有料版のサイトが先行的に登場していて、登録すれば見られるので、元のスタイルのまま の両紙のサイトと見比べて見て、あんまりにも進化した魅力的な作りになっているからです。まず、新聞社のサイトでここまでやるか!と思わせるほどの作り込み で、世界最先端と思われます。悪いけど日経電子版とは比較になりません。もし、こういう新聞社サイトが日本語であれば購読します。週2ポンドなんて安いも んです。劣化した週刊誌より安いんですから。

今日、半日かけて覗き回ったんですが、まずはトップページの画像比較から。最初はTimes。

次は有料版

今度はSunday  Timesの現行版

最後にSunday Timesの有料版

ほんの一部しかお見せ出来ませんが、それでもガラリと雰囲気が変わっているのは感じていただけると思います。いくつか感じたことをまとめてみます。第一に特にSundayに顕著なのですがビデオが満載ということです。もちろん、写真も豊富でスライドショー形式になっているものも多いですね。従来のSundayは見出しだけがズラズラ並んでいるだけでしたから大変身です。ちなみにここAlison Jackson’s Fake Takeというビデオは連立政権を成立させた保守党のキャメロン党首と自民党のクレッグ党首がダウニング街10番地の官邸に入ってドアを閉めた後、二人でキャーキャー大騒ぎして喜ぶというニセビデオで、笑えます。また、画面右にあるのは写真ギャラリーなどのIndexです。

またSundayで感心したのは、Culture面にあるイベント案内です。日曜から土曜日までに分けて掲載していますが、それぞれに記者によるコメントや視聴者の感想などがビデオで付いていることです。ほかにもスターのインタビュー記事や死亡した著名デザイナーの回顧記事などにもビデオやスライドショーが満載で、これはもう新聞サイトを完全に超えています。

一方、TheTimesの方もSundayほどではありませんが、相当な変化です。例えば、現行版では左の方に小さく載っている女性の写真が有料版では真ん中にドカンと載っています。この女性は学生に殺された売春婦とのこと。しかし、見出しはなく、写真をクリックすると該当記事に飛ぶというしかけです。さらに、有料版ではOpinion面を充実させていて、23人のコラムニストなどのポーズ写真を専門分野とともにデカデカと載せているページがあり、そこでクリックすると各コラムニストの最新コラムに飛んで、過去のコラムを一覧できるという親切な構成になっているなど、工夫があります。

これが見た目の印象ですが、実は、この両サイト、[All or Nothing]というポリシーだそうです。どういうことかというと、実際に金を支払った人だけしか読めないようにするということです。有料のWSJやFTにしても、無料で閲覧できるページがあったり、見出しのほかに数パラグラフは読めますし、グーグルなどの検索エンジンに見出しを入れて検索すれば有料記事が読めるという裏技が有効で、両紙のサイトもそういう裏技を黙認していますが、TimesとSunday Timesではそうした裏技を一切黙認せず、マードックが大嫌いなグーグルを排除するということです。また、記事に関する投稿は匿名や仮名を認めず、実名で議論を進めたいという方針とのこと。その方が建設的だという考えのようです。これらはまだ一部の特徴に過ぎないと思いますが、ちょっと魅力的ではありませんか。

(以下、追記)昨日、書き漏らしたことですが、この二つの有料版サイトは現行版より、むしろ記事の数を減らしています。一般的には、有料化するんだから記事が豊富になることを期待する向きも少なくないかと思いますが、そうした紙の「新聞」の発想を超えて、いかに読者にアピールし、楽しませるかを徹底したところが凄いと思います。まあ、デジタル化した雑誌みたいな新たなジャンルを開拓中というところでしょうか。

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1 Comment so far

  1. 明石蛸三郎 on 5月 27th, 2010

     なるほど。ビデオの多用ですか。有料化するなりの工夫をした訳ですね。何と言いますか、これはもう新聞の進化したメディアなのかもしれません。

     このクオリティを保ったまま突っ走れるのであれば、話題にはなるかな。ただどうでしょう。コストは幾らかかってて、回収の目算が立っているのでしょうか。ちょっとそこらが気になります。

     まあ、始める前から腐すのもいけませんので、取りあえず8月末までは見守ってみたいかなと思います。iPadを買い次第、試し読みしてみます。ご教示有り難うございました。

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