日経電子版「web刊」の行方

昨日、日経本社で開かれた「ネット時代のメディアとジャーナリズム」というフォーラム、実はNIKKEI NETを有料化する「日本経済新聞 電子版」、通称「web刊」の正式発表に合わせた企画だったんですね。それとは知らず、ついついタイトルに惹かれてUストリーム中継で見ちゃいましたが、話が収斂せず、期待はずれ。思いは私だけではなかったようで、同時視聴者数はピークで400人ほど。先日のそらのさんプロデュース、「上杉隆VS池田信夫」対談の3600人には遠く及びませんでした。

それはそれとして、この中継で知った事実を一つ。現行のNIKKEI NETには新聞本紙に載った記事の3割しかアップされておらず、しかも個々の記事も全文ではなく短くカットされているということ。確か日経記者が発言してました。日経のサイトは記事が薄いなと思ってましたが、そこまでとは知らず・・・・

そこで本紙の記事が全部読め、記事検索も出来、日経BP系の雑誌記事、さらにテレビ東京の映像もあるほか便利機能テンコ盛りをうたう新サービスですが、日経本紙購読者が月1000円というのはわかるにしても、非購読者が4000円というのはほとんど禁止的な料金ではないでしょうか。これは間違いなく世界一高いオンライン新聞料金だからです。

いま、世界中で、成功したオンライン新聞と言えばウォールストリートジャーナル(WSJ)とフィナンシャルタイムス(FT)が双璧ですが、その料金はといえば、WSJが年間103ドル、日本円にして9270円(1ドル=90円換算)、FTは2通りの料金があるのですが高いほうのプレミアで年間299ドル、26910円。1か月あたりだとそれぞれ770円あまりと2240円あまりとなります。つまり日経の料金はWSJの5倍、FTの2倍近いわけです。

なにもWSJやFTよりコンテンツもサービス内容も圧倒的に優れているから強気の料金にしました、ということでは全くなくて、「紙の新聞の部数に影響を与えないことを前提に、価格を模索した」結果だということです。つまり高くしておけば、新聞の現読者が購読をやめてオンラインに乗り換える心配がないということなんですね。う~~ん。じゃあ、新聞を取ってない人が新聞料金とほぼ同じ料金を電子版に払うかといえば、こっちもう~~んですね。

そこで思い出すのが1年前に廃刊になったロッキーマウンテンニュース(RMN)の記者有志30人がRMNの志を引き継ごうと立ち上げたINDenver Timesというニュースサイトのことです。月5ドルという格安料金で、5万人集めればやっていけるという目算でしたが、結果は3000人!止まりだったんですね。廃刊前の部数は21万部もあったのですが。

こうした事例を日経側が知らないわけはありません。それでもこうした有料サービスに踏み切ったのは広告収入の大幅拡大を目指してのことかも知れません。実は、来月23日から有料化といっても、お金を払わないと一切見られないというわけではないのです。何の手続きをしなくても、一般的なニュースは今までと同じように見られます。もともと本紙の3割しかアップされず、しかも短く切られた記事だらけだったわけですから、いまよりマシになるかもしれません。ですからページビューの減少はまず心配しなくてもいいでしょう。これまでアップロードされなかった特ダネや解説などは原則として有料会員でないと見られませんが、実は無料会員登録をしておけば、この有料コンテンツをなんと月20本もタダで購読できるのです。FTの登録会員の場合は月10本までですから、豪気な話です。

この登録会員がどうやらミソのように思えます。記入された属性に基づく広告配信が可能になり、広告単価の引き上げにつなげられそうだからです。加えて、メディア評論家のFrederic Fillouxによると、広告主は登録してまでアクセスするLoyal  audienceには高い価値を認めるそうで、WSJの有料ゾーンでは30%高い料金設定だそうです。ですから、当面、注目すべきは4000円会員の数ではなく、無料登録会員数ということかもしれません。

(おまけ)あの「そらの」さんがまたUSTライブ番組をプロデュース。28日午後7時から田原総一朗氏の司会で「朝までダダ漏れ討論会」をやるそうです。河野太郎氏も出るとか。やりますねえ!

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1 Comment so far

  1. さいとう on 2月 26th, 2010

    4000円が高いから、気になって問い合わせてみました。

    広告はオフにできず、強制的に表示されるようです。良く、リンクをクリックすると強制的に広告を見せられたり、動画のニュースの最初も広告になっています。4000円払ってるのに、さらに広告を見なくてはいけないのでしょうか。iPhone中心の利用を検討しているので広告はかなり迷惑です。
    もし懸念が事実なら、民放とNHKの悪い所取りのような気がします。

    ———-回答内容ここから
    ●回答日時
    2010-02-25 20:27:25
    ●回答
    広告の表示・非表示の設定をお客様で切り替えることは出来ませんので、ご了承下さい。

    ———-回答内容ここまで

    ———-お問合せ内容ここから
    「電子版広告フィルター」(2010-02-25 13:19:13)

    ●カテゴリー
    日本経済新聞 電子版について>電子版全般
    ●お問合せ内容
    電子版で、広告を表示しないような設定にできますか?
    特に、ページの切り替わりに強制的に広告が入るかどうか気になります。

    ———-お問合せ内容ここまで

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