ネット投票はあてにならない?
昨日のスーパーボウルCMの”疑惑”の続きです。
USAトゥディーのスーパーボウルCM人気コンテスト(Ad Meter)で2位になって60万ドルを獲得したドリトス(Doritos)の「Underdog」ですが、本来なら放映されなかったはずのものが直前になってなんらかの事情で放映リストに入ったのではないか、その結果として大金を得たというのはラッキーとしか言いようがないですね、というような話。
アメリカも一夜明けて、Underdog製作チームについての色んな記事が出回っています。(例えば制作費はたったの200ドルだったとか) しかし、私の疑問にストレートに答える記事は見当たりません。
念のため、ドリトスを作っているフリトレイ社の親会社ペプシコのサイトでニュースリリースを読み直してみました。今年1月5日のプレスリリースには<It is now up to Doritos fans nationwide to select the three homemade ads they want to see aired during the Super Bowl XLIV broadcast February 7, 2010 on CBS>と確かにあります。この日、4000以上の応募作品の中からファイナリストの6作品が決まったから、皆さん、インターネット投票で実際にテレビに流す3作品を決めてね、という話の流れです。
ところが2月8日の「2位になったよ!」という結果を知らせるプレスリリースでは<Nationwide consumer votes put “Casket,” “House Rules,” “Snack Attack Samurai” and “Underdog” in the Super Bowl spotlight, from six finalist ads>と、みんなこの4作品を推したんで放映したよ、って話になってます。何の釈明、説明もなし。
いずれ、この間の経緯についての話は出てくるでしょうが、今のところ言及しているのはドリトスやハインツケチャップなどのCMを作っているというCMディレクター/プロデューサーのJared Cicon氏のみなのでちょっと紹介。彼は事前にファイナリスト6作品以外も見た上で、当初からUnderdogを今回一緒に放映された他の3作品より上位に推していました。(その記録はブログに残っています)
で、その専門的な立場から、推測します。<I would bet that Dorito’s own judging panel (test marketing) had rated both 5 Point spots superior to the rest of the field.>
<both>とあるのはUnderdogを作った同じ会社の別チームが作った作品もファイナリストに残っていたからですが、ネット投票で放映を約束した上位3位に入れなかったUnderdogについて、ドリトス社内の判定チームが「これが1番」と判断して放映枠を急遽4に拡大したのは間違いないとという見立てです。不景気でCBSのCM放映枠が残っていたのが幸運だったとも言っています。業界人の見立てですから、そんなところかなとも思います。
ちなみに人気投票は昨年も行われましたが、私の記憶では「参考情報」にしただけで、投票者も数千人規模だったはずで、最終的には専門家が選出した2作品の一つがAd Meterでトップになって100万ドルを獲得、もう一方も4位という上々の成績でした。
今年のように、ネット投票で決める、まあ一種のWisdom Of Crowds、群衆の叡智と言えるのかも知れませんが、こういう結果になるとかなり怪しいな、という感じがすると同時に、フリトレイ社の関係者はうまく捌いたともいえそうです。なにせ、公募作品を放映し始めたのは2007年からですが、同年は2本で4位と34位、翌年は1本で4位、昨年は上記のように1位と4位という好成績を残してきており、今年、約束どおりネット投票の上位3作品だけだったら11位が最高という過去最悪になるところでしたから。
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