激減!米新聞部数~記者削減が元凶か
あちことで報じられていますが、米国日刊紙の発行部数が対前年比で10.6%という史上初の2ケタ減になりました。実部数でいうと4千4百万部。これがいかに米国民の新聞離れを表す数字かというと、人口が今の半分ほどだった1940年の4千百万部とドッコイなことです。1945年には4千8百万部を超えています。
米国のピークは1984年の6千3百34万部ですが、当時は人口が2億3千万人ほど。今は3億人を越えているのに、部数は当時より23%も減っているわけで、新聞を読まない人が加速度的に増えていることが推測できます。
ちなみに日本の場合は、人口がアメリカの4割なのに、昨年の発行部数が米国を上回る5千百50万部。ピークの1997年から4%ほどしか減っていません。(話題の押し紙の件は考慮しませんけど W)
で、米国の部数激減の原因についてはいろいろ書かれています。第一にネットへの読者流出。ネットに加え不景気で広告が減ったの埋め合わせるため、宅配価格や1部売り価格を引き上げたので、読者が逃げたこと。さらに配達経費削減のため遠隔地の宅配を中止したことなどが挙げられていますが、注目したいのが、記者削減で紙面に魅力がなくなった、という点も指摘されていることです。
これに関し、印象でなく数字で検証した研究がミズーリ大学ジャーナリズム学部Esther Thorson教授らのグループで発表されています。
これはInland Press Associationという、米国の比較的、少部数の新聞社の団体から数百社分の財務データの提供を受けた同教授らが分析にあたり、①編集経費を1%削減すると収入が0.44%減る。販売経費の1%削減は0.24%減、配達経費の1%削減は0.08%減で、編集経費の削減が一番経営に響く②削減幅が大きいほど収入に打撃を与える。例えば10%の編集経費削減は5%の購読料収入減につながるが、50%削ると購読料は30%も減る③編集経費の削減は利益に最も打撃を与える。5%の編集経費節減は1%の利益減になるが、同じように広告、配達を5%減らすと、その影響は0.3%、0.2%にとどまる。同様に編集経費を50%減らしたら利益は40%も減るが、広告部門の50%削減による利益減は22%にすぎない–などの点が明らかになったとしました。
つまりThorson教授らの結論は、経営逼迫による経費節減はやむを得ないにしても、記者削減は一番経営に響くことが実証されているので、最初に記者減らしを行うのは経営上、自殺行為という警告ですね。しかし、ここ2年ほどで日本の全記者2万人を上回る2万5千人以上もの記者が職場を去ったのが米新聞界の現実です。つい先日も、ニューヨークタイムズが編集部門100人の年内削減を発表しました。苦境はまだつづきそうです。
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