Archive for 10月, 2009

激減!米新聞部数~記者削減が元凶か

あちことで報じられていますが、米国日刊紙の発行部数が対前年比で10.6%という史上初の2ケタ減になりました。実部数でいうと4千4百万部。これがいかに米国民の新聞離れを表す数字かというと、人口が今の半分ほどだった1940年の4千百万部とドッコイなことです。1945年には4千8百万部を超えています。

米国のピークは1984年の6千3百34万部ですが、当時は人口が2億3千万人ほど。今は3億人を越えているのに、部数は当時より23%も減っているわけで、新聞を読まない人が加速度的に増えていることが推測できます。

ちなみに日本の場合は、人口がアメリカの4割なのに、昨年の発行部数が米国を上回る5千百50万部。ピークの1997年から4%ほどしか減っていません。(話題の押し紙の件は考慮しませんけど W)

で、米国の部数激減の原因についてはいろいろ書かれています。第一にネットへの読者流出。ネットに加え不景気で広告が減ったの埋め合わせるため、宅配価格や1部売り価格を引き上げたので、読者が逃げたこと。さらに配達経費削減のため遠隔地の宅配を中止したことなどが挙げられていますが、注目したいのが、記者削減で紙面に魅力がなくなった、という点も指摘されていることです。

これに関し、印象でなく数字で検証した研究がミズーリ大学ジャーナリズム学部Esther Thorson教授らのグループで発表されています。

これはInland Press Associationという、米国の比較的、少部数の新聞社の団体から数百社分の財務データの提供を受けた同教授らが分析にあたり、①編集経費を1%削減すると収入が0.44%減る。販売経費の1%削減は0.24%減、配達経費の1%削減は0.08%減で、編集経費の削減が一番経営に響く②削減幅が大きいほど収入に打撃を与える。例えば10%の編集経費削減は5%の購読料収入減につながるが、50%削ると購読料は30%も減る③編集経費の削減は利益に最も打撃を与える。5%の編集経費節減は1%の利益減になるが、同じように広告、配達を5%減らすと、その影響は0.3%、0.2%にとどまる。同様に編集経費を50%減らしたら利益は40%も減るが、広告部門の50%削減による利益減は22%にすぎない–などの点が明らかになったとしました。

つまりThorson教授らの結論は、経営逼迫による経費節減はやむを得ないにしても、記者削減は一番経営に響くことが実証されているので、最初に記者減らしを行うのは経営上、自殺行為という警告ですね。しかし、ここ2年ほどで日本の全記者2万人を上回る2万5千人以上もの記者が職場を去ったのが米新聞界の現実です。つい先日も、ニューヨークタイムズが編集部門100人の年内削減を発表しました。苦境はまだつづきそうです。

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また有力NPO報道機関が誕生~今度はシカゴに

10月6日のエントリーで、非営利のオンラインニュース機関が米国で注目を集めていることを紹介しました。調査報道専門のProPublicaの活躍ぶりは有名になりましたし、来月3日からはテキサス州ヒューストンでTexas Tribuneが、来年早々からはサンフランシスコでBay Area Projectが動き出す予定ですが、そこに新たに加わるのがシカゴベースのChicago News Cooperative(CNC)です。

非営利報道機関PBS(Public Broadcasting Service)のネットワーク局であるWTTWマッカーサー財団などの支援を受けることが決まっている上、最初から収入になる仕事も決まっています。来月から発行ののニューヨークタイムズ・シカゴ版に金曜と日曜の2日間、各2ページを担当しシカゴ情報を提供するのです。最初のページは来月20日の金曜日と目されています。また記者たちはWTTWテレビにも出演することになっています。さらにラジオ局とも提携を目指して話し合い中で、来年早々からは独自の有料サイトも計画していて、まあ、いろんなところから収入を得る算段のようです。 Read more »

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ニュースNPOトップの年棒57万ドルは許せない!——-ダン・ギルモア絶叫

最近はちょっと露出が減ったかも知れませんが、ダン・ギルモア氏は、かってサンノゼマーキュリー紙のITコラムニストとして、マスコミ記者としてはおそらく初の記者ブログを書き綴ったことで有名です。インターネットの台頭でマスコミは行き詰まり、まともなニュース報道が行われなくなるのは確実だとしてブログを駆使したGrassroots Journalism、Citizen Journalismの必要性を唱え、2005年に著した「ブログ 世界を変える個人メディア(原題 We the Media)」が話題になりました。(著者サイン本を所持!笑)

で、そのギルモア氏が自身のブログMediaactivebreathtaking(息の呑むような)とかmind-boggling(唖然とする)というような単語を使って攻撃しているのが10月6日の私のエントリーで紹介した非営利オンライン報道機関ProPublicaのSteiger編集主幹のサラリーのことです。彼を含む幹部の給料一覧はこれです。このほか各自が2万$内外を受け取っています。名前のすぐ右側にある<40.00>というのは週当たり労働時間です。

ProPublica幹部給料表

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オンライン新聞創刊は甘くなかった~でも新たな動きが次々と

一月ばかりネット環境のないところで休養していまして、更新が滞ってしまいました。もう寒くなってきました。さて、表題のオンライン新聞はRocky Mountain Independent(RMI)のことです。ちょっと寒いと言うか残念な話です。

今年2月末に廃刊となったアメリカ・コロラド州デンバーの名門紙Rocky Mountain News(RMN)の記者約30人が、RMNの精神を受け継ごうとINDenver Newsの名称で月5ドルを課金する構想のオンライン新聞に取り組んだのがことの始まり。しかし出資予定者が要求した有料購読者5万人のハードルは高く、3千人しか集まりませんでした。これでは本格的なローカルニュース・解説サイトは運営できないとして、7月に、有志14人がそこを飛び出し、各自が自ら出資する背水の陣で始めたのがRMIだったのです。

収入源は広告と有料会員制を取り、料金は月4ドルまたは年間24ドルでした。しかし、会員制のメリットがほとんどないため伸び悩み、会員は200人にとどまったという報道もあるほど。もちろん、広告も不況で思うように増えず、さらにスタッフも4,5人に減ってまともに独自記事を生み出せなくなるといった苦戦の末、「実験は終わった」という悲しいお知らせを10月5日、サイトに掲載することになったわけです。

RMI終了

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