ニューヨークタイムズの収入構造が激変!日本型に近づく
最近発表されたニューヨークタイムズカンパニー(NYTCO)の今年第2四半期の決算に面白い数字が現れたので、ちょっと調べてみました。これまで圧倒的に経営を支えていた広告収入の割合が大きく減少し、販売収入の割合が高まったのです。
NYTCOはニューヨークタイムズ(NYT)やボストングローブなど18の日刊紙や4年前に買収したAllAboutなどを擁しますが、ここではNYT本紙のみに注目します。第2四半期の広告収入は1億8505万ドル、販売収入は1億6639万ドルで、広告と販売の比率は53:47という拮抗する数字になりました。
NYTCOのサイトにはNYT本紙の収入内訳の記録は2005年以降しか残っていないのですが、その2005年だと広告と販売の比率は67:33でした。2006年も同様で、2007年には65:35になり、昨年は62:38でした。それが53:47。こうした急激な比率の変化の主因は、もちろん不況による広告収入の大幅な落ち込みのせいです。と、同時に、実はわずかですが販売収入の増加も効いています。
というのもNYTは第2四半期の最終月の6月1日にスタンド売りの新聞1部を週日版を1,5ドルから2ドルへ、日曜版は4ドルから5ドルに値上げし、宅配の年間購読料は608ドル(ニューヨーク以外だと770ドル)となっているからです。第2四半期決算には値上げの1月分しか反映されていませんが、フルに反映される第3四半期には、販売収入が広告収入を上回ることも予想されます。
そうなれば、おそらくNYTにとっては前代未聞の事態でしょう。いや、NYTに限らず、全米の一般的な日刊紙ではありえなかった事態でしょう。米国の新聞は広告主体の経営が当たり前で、たとえば10年前のNYTCOの広告と販売の収入比率は77:23でした。
さて、翻って日本はどうかというと、かっては広告と販売は五分五分などといわれましたが、新聞広告費の減少とともに今は一般紙だと広告3:販売7程度のようです。ですから、幸か不幸か、不況で広告が多少減っても、経営上は深刻な打撃を受けない構造なのですね。米国のように広告頼みだと不況に弱い。そこでNYTは購読料の値上げに踏み切ったわけですが、名門NYTと言えども、それによる新聞離れの危険性は否定できません。その結果による部数の変化は9月に公表されるようですが、なにしろ宅配年間購読料は年間6万円ほどで、月にすれば5000円ほど。日本の新聞より高くなっちゃったんですから不安な要素です。
思い起こせばわずか3年前の2006年にNYTは<a free subscription rewards program>を謳う企業通貨、TimesPointsを発表しているんですね。国内とカナダの提携したレストランやショップ、ホテルを利用すれば使用金額の5~10%に相当するポイントが溜まり、購読料の支払いに利用できるという仕組みでした。部数を減らさないための戦略でしたが、翌2007年12月にあえなくサービスを中止しています。中止の真相は知りませんが、新聞代をタダにする狙いが外れ、日本以上に高い新聞代にと、極端から極端にNYTは振れています。
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