米・ガネットが全社員に1週間の無給休暇を強制
今日の夕刊で取り上げられるでしょうが、アウトラインは、広告収入の著しい落ち込みに、米新聞業界で最も財務体質が強固だと思われたガネットでさえピンチ、で、とりあえず、3万1千人の全社員から第一4半期(3月まで)中に、1週間分(土日除くので実質5日分)の給料召し上げ、という話。Editor & Publisherが最高幹部のメモを入手し、公表しているので参考までに。
ガネットは米国最大の発行部数をほこるUSA TODAYをはじめ85の日刊紙、23のテレビ局を所有する米最大の新聞グループとされる。、売り上げは74億ドル(約7千億円)を超え、これは日本最大の読売新聞の総売り上げ約5千億円をはるかに上回る。そういうデカイ会社が、社員から5日分の給料を召し上げてどれだけの効果があるのか、という疑問は当然ながらあるが、どの報道を読んでも、「会社は明らかにしていない」としか書いてない。
で、ちょっと試算。PayScaleというサラリーデータベースによると、米国の記者職は意外に給料が安く、企業に属するReporterの平均は3万4千ドルという。いささか安すぎの感もしないではないので、仮にガネットの平均が5万ドルとして、労働時間を年2000時間とすれば、5日間40時間分の賃金は1000ドルになる計算。これが3万1000人分なので総額は3千100万ドル、日本円で30億円弱となる。
結構な額に見えなくもない。しかし、ガネットの会長、社長、CEOを兼ねるCraig Dubow氏の年間報酬総額は750万ドルと、日本の新聞社社長とは桁違いな上、株主配当総額は3億6500万ドルにも達する。これらの数字の前では社員から召し上げる30億円という数字は虚しい感じが強い。じゃあ、配当を下げればいいように思えるが、株価は1年前の38.16ドルから7.80ドルまで下落しており、配当を減らせばさらなる下落は必至なので、おいそれとは踏み切れないのだろう。
昨年のトリビューンの”倒産”、自動車の街、デトロイトでの宅配大幅削減に続くガネットのこの動き、いずれも、ネットへの広告流出に加え不況でますます広告が集まらなくなっているせいだが、将来も真っ暗。最近、eMarketerが公表した数字によると2012年の新聞広告の売り上げは昨年の75%、2007年の60%にまで縮小するという。また、昨年末のPew Research Centerの調査では、「国内、国際ニュースはどこから入手しますか?」との問い(2つまで回答する形式)に、新聞がインターネットに初めて抜かれたという衝撃的なデータも明らかになった。紙の新聞離れも深刻さを増している。決して対岸の火事ではない。
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