トリビューン破産とシングルトン流の行方
シングルトンとは11月27日のエントリー「新聞業界大変だあ」でご紹介した全米4位の新聞グループ、メディアニュースのCEOにしてAP通信会長のことです。
彼は6月の世界新聞大会で、金融危機以前、不景気到来前にもかかわらず、よほどのことをしなければ新聞は生き残れないと力説したわけですね。主要50紙のうち19紙が赤字垂れ流しだとも明かしました。トリビューン傘下のシカゴトリビューンやロサンゼルスタイムスもその中に入っていたのでしょうね。昨年、買収されてから株式上場をやめたので詳細はわかりませんが。
さて、このように米国の新聞経営が大変になってくると、次に何が起きるか。もちろんコスト削減ですが、それをどう実現するか。首切りだけでは質の低下を招いてますます売れないという負のスパイラルに陥るだけでしょうから、そこをどう工夫するかでしょう。
そこで、再びシングルトンがどういう手を打っているかに注目してみます。彼は10月20日の業界の会合で「ほとんどの仕事を海外にアウトソースする」と述べています。すでに「preproduction work」の殆どをインドにアウトソースし、65%の経費削減に成功したとも。このpreproduction workの中身がいまいち明確ではありませんが、どうやら広告制作やその紙面配置作業など、編集着手以前の仕事が中心のようです。ほかに業総務的な仕事が含まれているかもしれません。読者の問い合わせに応えるコールセンターも、もちろんインドに移しています。
それだけでなく、すでにサンフランシスコ近辺の複数の地方新聞の編集作業を1箇所で始めたようですが、将来は海外でも構わないと言い切っています。「それこそデジタル時代のありようだ」というのです。
ロイター・トムソンは以前から発表ものの経済ニュースなどはインドのバンガロールに配置した現地記者に任せているという話は知られていますし、シングルトンの海外というのももちろんインド。それはもちろんコストがべらぼうに安いからです。3年前にスタートしたPasadenanow.comというロサンゼルス近郊の住民に絞ったローカルニュース専門サイトの場合、市議会の模様をウェブカメラでインドの協力者に送り、それを記事にしてもらっているそうですが、その原稿料はカナダのグローブ&メイル紙によれば1000語7ドル半だそう。同じ1000語の記事をカナダのフリーランス記者が書けばその相場は最低350ドルだそうなので、とにかく安上がりというわけです。
ニューヨークタイムズだって青息吐息で、新しい新本社ビルまで担保に取られたなんてニュースも飛び込んでくるほどですから、どこの新聞社も大変。シングルトンに倣ってインドへ雪崩を打ちかねない状況。でも、日本語の通じないインドに行けない日本の新聞社はどうすればいいんだろう?やっぱり狙いは中国かな。
Comments(1)
お久しぶりです。
新聞業界も大変ですね。
でも、日本もそうですが生産の大半を海外に頼るということは国内の労働者にはお金が行かず、お金が無ければ物を買うことも無いわけで自然と景気が悪くなるのはあたりまえですよね。
今こそ各業界は国内に目を向けてもらいたいもんです。
景気がよくなれば多少コストが高くても物は売れると思いますけどね。
何となく日本もアメリカも自爆の道を進んでいるように感じますね。