Times Extra そこまでやるか!NYT

ニューヨークタイムズオンライン版のトップページの「extra」バージョンが誕生しました。通常のトップページ、NYTの題字右下あたりにある「Try Our Extra Home Page」というボタンをクリックすると、ちょっと見は本来のトップページとそっくりなページになりますが、よ~く見ると、各記事の下に他の新聞社やブログから集めた関連記事の見出しが8本あり、クリックするとすぐ飛べる仕掛けになっているのです。私のこのブログの右手の「IT連々」の一番上が<blogrunner>ですが、ここで集めたメディアやブログの記事を流用しているとのことです。

トップページは主要な記事が集められている場所で、さらに深く知りたいというユーザーの欲求に応えるという意味では悪いことではないのかもしれません。しかし、いかにネットがハイパーリンクで成り立っているといっても、違和感は拭えません。NYTにしてみれば、「我々は主要なニュース選択に自信あり。まずはここに来てくれれば他のメディアや有力ブロガーの考えまで幅広く知ることが出来るから便利でしょ」と、改めて強力なニュースポータルを目指しているのは明らかで、広告担当幹部も「広告主にアピールしそう」と言っています。

しかしメディア間のリンクはこれまでいくつもの紛争を起こしてきました。古くは1996年10月、英国・シェトランド島で、当時で125年の歴史を持つ週刊紙シェトランドタイムズが、「島で最初の日刊紙」を謳うオンライン新聞シェトランドニュースが自社記事に勝手にリンクを張っているのは違法だと訴え、裁判官がリンクを切るよう命令したことがありました。

また、1997年のトータルニュース事件では、フレーミングと呼ばれるL字型の画面構成で、世界4600社以上のニュースサイトにリンクを張り、ニュースを表示すると同時に、L字型の枠にトータル社が獲得した広告を載せたことで大手メディアが「他社の情報でビジネスをしている」と強硬な姿勢を取り、結局、トータル社は廃業に追い込まれました。

また米国では2002年から、日本では2004年から始まったgooglenewsは今日に至るまで一切の広告を掲載していません。ご存知の通りgooglenewsは世界中のニュースサイトからニュースを集め、人手を一切使わず、ニュースサイトのように整理してニュースを見せてくれますが、もし、広告を載せればトータルニュース社と同様の批判を受けかねないからでしょう。

NYTにしてみれば、トータルニュースやgooglenewsと違って、自社記事があり、そこに関連記事へのリンクを張るのは読者サービスであると同時に、リンクを張られた先にもトラフィックが増えるのでいいじゃないか、という考えかもしれません。でも、そういうシステムにすることで、自社サイトの広告媒体としての価値を高めるという狙いは明らかなのですから、やっぱり「他人のフンドシで」という思いは残るんですが、古いですかねえ?

そういえば、google自身の発表ではありませんが、最近、しきりにgooglenewsに広告掲載というニュースを見かけるのはどういうことでしょうか。NYTの動きとも連動してるんですかね。今後、他の大手ニュースメディアの動きに注目です。まあ、それにしても新聞社のオンラインサイトを便利にすればするほど、「紙」の価値は相対的に減少するわけだけど、そこいらあたりはNYTはどう考えているんでしょうね。余計なお世話かもしれないけど。

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