新聞業界大変だあ!
間が空いたのでつなぎに昨今の新聞不景気話を。
なんと言っても衝撃は 朝日新聞の上期決算で103億円の赤字だということでしょう。朝日の売り上げは大体4000億円程度で推移してきており、利益は2%前後を計上してきました。利益は薄いけど不動産も結構持っていて、安定経営と見られていたわけです。今日、発売の週刊文春によると、朝日広告幹部の発言として、「2000年ごろには2000億円近くあった広告収入が現在は1000億円をなんとか超える程度」という惨状が紹介されています。
英国ではネット広告が今年にも新聞広告を超えるのはほぼ確実(ネット広告のシェアは上期で18,7%で新聞広告の19,3%に肉薄)とされているし、ニューヨークタイムスの第3四半期決算の広告収入は昨年同期比で14,4%ダウン。新聞広告のジリ貧傾向は世界的現象で、別に朝日だけの問題じゃないのです。
ただ、米国に比べ、日本の新聞危機説が一部の新聞を除いてあまり表面化しないのは、米国が広告収入依存型経営なので、不景気になれば即、経営不振が明らかになるのに対し、日本は販売収入依存型経営だったからです。世界一高いという月極め購読料で巨大部数を維持してれば巨額な購読料収入がきちんと入る。しかし、朝日広告幹部の言うように広告がこれだけ落ち込めば、なおさら販売部数を落とせない。それには巨額な販売経費を上積みしなければならない。それで部数減を最小限に食い止めても支出増で結局、経営を圧迫するという構図なのでしょう。
また売り上げ高の4%程度の利益をコンスタントに上げ、経営的にはこれまで一番堅いと思われてきた日経もどうやら例外ではないらしい。トリビアなことで申し訳ないけど、2003年から始まった日経地域情報化大賞が今年で終了した理由のひとつは「日経の収益悪化」だそう。多分何億円もかかるはずもないのに評判のよかった企画を止めざるを得ないとは・・・
今年6月の61回世界新聞大会(スウェーデン)で、APの会長と同時にデンバーポストやサンノゼマーキュリーなど57紙を所有する米国第4位の新聞グループであるメディアニュースグループCEOのディーン・シングルトンは<米国の新聞ー次の5年>と題して講演し次のように述べたそうです。
①自動車、携帯、通信など全国広告が不振で前年比30%ダウン。
②部数はここ5年2-3%づつ減少。
③最大の痛手は3行広告が(アドワーズやクレイグスリストなどの)ネットに流れていること。
④しかも経済悪化ときた。
⑤以前のどんな状況より悪いし、昔には絶対戻れない。
⑥そこで自社グループで何百人も首切りしたことで批判されたが、これからの新聞のカテゴリーは2つしかないー生存か死か。
⑦トップ50紙のうち、19紙が赤字垂れ流しで、その数は増大中だ。
⑧われわれは2012年の営業キャッシュフローの半分はネットから、紙から40%、ニッチから10%とし生き残る。
さすがAPの会長10年目だというだけのことはあるようですね。わかりやすい。米新聞界での今年の首切り総数は1万3000人以上。日本ではまだほとんど表面化していませんが・・・・・
ちなみにニューヨークタイムスのここ10年の株価の推移をどうぞ。2002年の中ごろには55ドルに接近してますが、最近の最安値は11月21日の4.95ドルと10分の1以下になってます。少なくとも米株式市場は新聞社に未来があるとは見ていないということでしょう。もっとも今日は7.25ドルまで戻ってはいますが。
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[...] シングルトンとは11月27日のエントリー「新聞業界大変だあ」でご紹介した全米4位の新聞グループ、メディアニュースのCEOにしてAP通信会長のことです。 [...]