ニュース報道と世論調査
いきなりでナンですが、上のグラフと下のグラフ、なんとなく似てませんか?とくに最後のクロスはそっくりですよね。
上は説明文が付いているのでお分かりでしょうが、6月中旬から9月第1週までのオバマとマケインのメディア露出度のグラフです。どう測定したかはあとで説明します。
で、下のグラフは同時期の世論調査を集約した平均値の推移です。ABC News/WashingtonPost、CBS News、NBC News/WallStreet Journal、FOX News、USAToday/Gallup,CNNなどのデータをもとにして、REAL CLEAR POLITICSという専門サイトがまとめました。青はオバマ、赤はマケイン。
共和党大会でペイリン旋風が吹き、ついにマケインのメディア露出度がオバマを抜いたというのが上の図。で、世論調査を平均すると6勝1敗2分で、ついにマケインが47.2対45.2でオバマをここでも抜いたという図になりました。ちょっと面白いでしょう。実は、グーグルの検索数比較でも似たような結果になるんですけど、こっちの方がもっともらしい。
さて、このメディア露出度調査はPEJ(The Project for Excellence in Journalism)が行っています。PEJは、もとはピュリツァー賞の選考もしているコロンビア大学のジャーナリズム学科とPew Research Centerによって運営されていましたが、現在はPewが主体になっています。
で、今、もっとも力を入れているのが今年の1月から始まったPEJ Campaign Coverage Index。新聞13紙、ニュースサイト5(CNN.com、ヤフーニュース、MSNBC.com、Google News、AOL News)、ネットワークテレビ局(朝3番組、夕4番組)、ケーブルニュース局(CNN、FOXなどの15番組)、ラジオ局(8番組)を対象に、全ての選挙関連記事のうち、もっぱらオバマかマケイン各々について書かれたか、主として各人に関する記事かどうかを判断して、それを抜き出して比較したものです。それが一番上の図。人海戦術でやってるわけです。これは前にコメントをくれたやまちゃんじゃないけど、アメリカ人はやるときは徹底してやる一例でしょうね。(もっとも土日はお休みってのもアメリカらしい、かな)
選挙の際のマスメディア(特に新聞)の当落予測、どこかの政党や候補者に有利な報道があると、結果は往々にして逆になるというあれ。アナウンス効果っていいますよね。その逆もあって、それは「雪崩現象」。ほら、自民党バカ勝ちとなった小泉郵政選挙が典型的。いずれにもマスメディアの関わりは大きい。
郵政選挙の時は、自民党の勝因について「刺客」の話題が毎日毎日、テレビ、新聞を賑わし、小泉サンが絶叫する姿がテレビの絶好の被写体になったことが取り沙汰されました。つまり圧倒的に小泉自民党のメディア露出度が高かったせいだと。でも、それを定量的に測ってそうだったのかを立証した人はいない。単なる印象判断だよね。今の自民党総裁選挙は身内の選挙だからメディアがどう報じようと大勢には影響ないと思うけど、そのあとの総選挙、PEJみたいな試みにトライする団体や学者さんなどはーーーーいないだろうな・・・・。マスメディアの影響だけでなくネットの影響まで踏み込めば博士論文になるかもしれないはずなんだけどね。
あ、そうだ、日本通の政治学者として有名なジェラルド・カーチス・コロンビア大学教授の「代議士の誕生」というベストセラーは彼の博士論文なんだよね。佐藤文生さんという代議士候補に密着してその選挙活動をつぶさに見た。日本人もやらないことをやったわけです。
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